便利屋さん独立志望の相談に来られた方から、教えていただいたブログです。

日本は世界で最も弱者に厳しい国 : 往来物手習い
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皆さんは、「自力で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と答える人の比率が、日本ではいったいどのぐらいだと思いますか?
波頭亮著「成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)」の終わりの方に紹介されているエピソードで、The Global Attitudes Project “What the World Thinks in 2007”という調査結果にあるらしいんですが・・・
この調査によると、ドイツもフランスもイタリアも中国もインドもスペインも、自力で生活できない人を国が助けてあげる必要はないと答える人の割合は10%以下であり、あの自由と自己責任のアメリカでさえ28%。
ところが、今日のわが日本は(3年前の統計ですが)、必要はないと答える人の割合が、38%だというのです。
・・・38%ですよ! これはいったい何ということでしょうか?・・・唖然としてしまいました。
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びっくりしました。38%も・・・。

もしかしたら、私たち日本人は「なぜ出来ないか?」ということの理解が、弱いのではないでしょうか?
精神文化が発達しているが故に(?)、『成せば成る』…。『病は気から』…。『努力,根性,気合』…。

38%の日本では、何でも『頑張れ!』
28%のアメリカで励ます言葉は…
 Take it easy!(楽にやれよ!)
 Goog luck!(幸運を!)
 Hang in there(持ちこたえてね!)
 その他には、下記を参照。
  励ましの言葉 : みんなで学ぶNHK語学フレーズ
  こんなのもありますね。
   Just depend on me. There's nothing to worry about.
   (だいじょうぶ、ぼくがついてる。)
 失敗したときは、『ドンマイ!』(Don't mind!)=”気にするな!”です。

このような文化の違い・・・。これが、38%に影響しているのでは???

10%以下のドイツ,フランス,イタリア,中国,インド,スペインなどはちょっと知りません。。。
ちなみに、中国語で「頑張れ」は「加油」だそうです。「加油添醋」という、”油を加えて酢を添える”と言う料理の際の表現が語源のようですね。さすが四千年の歴史(?)

話題がそれてしまいましたが、
自力で生活できている人は、「なぜ自分が自力で生活できているのか」、あるいは、「なぜ自力で生活できない人がいるのか」、考えたことがあるでしょうか?

その昔、狩猟時代だった頃には、自力で生活できる人の能力は「ハンターとしての能力」でした。
農耕時代になると、自力で生活できる人の能力は「ファーマーとしての能力」に変わりました。
この二つの能力が全然違っていることは、すぐに理解できるでしょう。

あなたが何故いま、自力で生活できているか(お金を稼ぐ力を持っているか)?
それは、『いまの時代を生活する能力と、あなたが持って生まれた才能が、たまたま一致していた』だけなのです。
たまたま、ですよ。たまたま。
単なる偶然です。
それは、あなたの意志や努力ではなく、先祖からの遺伝によって、そのほどんどがもたらされたのです。
あなたが持って生まれた身体的な特徴や性格、脳の働き方が、たまたま時代にマッチしていただけです。
もちろんその後の、教育や訓練、運やタイミングなどによって、大成功して大金持ちになる人もいれば、大失敗している人もいるかもしれないし、ごく平凡な生活をしている方もいるかも知れません。

でも、持って生まれた才能が今の時代とまったくマッチせず、成功も失敗さえもできないばかりか、そもそも自力で生活できないひともいるのです。
それは、その人の努力が足りないとか、その人がだらしないからとか、その人がいい加減だからだとか、そうではないのですよ。

たまたま、『持って生まれた才能が時代とマッチしていなかった』だけなのです。

ADD/ADHDという才能』という本の中では、ADDと非ADDの違いを、ハンターとファーマーに例えることで明快にしています。
昔はハンターの時代でしたが、今はファーマーの時代です。

以前にもADDに関するブログ記事で書きましたが、ADD(注意欠陥障害)の方たちが片付けできないのは、そのような脳の特性だからです。
障害…という風にも言われますが、私はそれは個人の特性だと思います。誰しも、性格や好き嫌い、得意分野を持っています。
片付けの苦手な人もいれば好きで得意な人もいます。それがたまたま秀でているだけだと・・・。
どうしてそうなのかというと、そのような脳の特性を持って生まれてきたからです。
ADDの方達が、だらしがないわけではないのです。
逆にADDの方達の脳は、素晴らしい才能を持っています。それは、『豊かな発想やアイデア力』。これらの良い部分を評価すべきです。
そして、片づけられないという部分は、他の人が(できるひとが)助けてあげれば良いだけではないでしょうか?
そうすれば、ADDの方達は、その特別な才能を活かして、社会で活躍できるようになると思うのです。
「どうして片付けできないの?」
「こんなに散らかしてだらしない」
「ごみがいっぱいで信じられない…」
違うんです。
ADDの方達がそれらのことをできないのは、近視の人が小さな字を読むことができないとか、運動神経が弱くて早く走れないとか、そのような事と同じなんです。
近視の人に「どうして見えないんだ!」と怒りますか?
足の遅い人に「早く走れないなんて、だらしがない!」と言いますか?

出来ないことを”しっかりやりなさい”といっても、何も解決しません。
やらないのではなく、出来ないのです。
出来ないことで相手を責めては駄目です。
本人も不幸になりますし、まわりも不幸になります。

出来る人が助けてあげればいいじゃないですか。

そして、近視の人が”見える範囲”で見たり、足の遅い人が”自分の速度で歩く”ように、片付けの出来ないADDの方達にも”やれる範囲の片付け”をしてもらえばよいのです。
もしADDの方達がそのやり方を知らなかったら、教えてあげればよいのです。
ADDの方達でも続けられる、簡単でシンプルな片付け方法も、ちゃんとあるんですよ。

それにはまず、片付けの出来ない人を、受け容れてあげてください。『受容』です。
どうして片付けられないのか?ここまで文章を読んでいただいた方には、理解できるはずです。
ADDの方達を苦しみから救ってあげられるのは、あなたがADDを受け容れるところから、すべてが始まるのです。

そして、一緒に片付けの作業をしながら、ADDの方達でもできる片付けの方法を一緒に考えて、教えてあげてください。
その方法とは、一言で言えば、「物の置き方と場所」を設計することです。

何を、どの場所に、どのように置くのか。

収納設計をするのです。
片付けられる人がしっかりと収納設計し、片づけられないADDの方達に、教えてあげればよいのです。

「これは、ここに、こーゆー風に置くんだよ。」

それだけを、教えてあげてください。
そうすれば、ADDの方達も、無理なく片付けができるようになるのです。

どこに何をどう置くのか、正しく設計するためには、理論が必要です。
その収納設計は、片づけられる人が設計してあげてください。ADDの方達には設計できません。

収納設計の際には、このブログサイトの「収納と掃除のコツ」を参考にしてくださいね。
説明されている方法は、現場で整理整頓を数多く実践された専門家の手法です。

片づけられないADDの方達でも、維持継続可能な、収納設計の方法です。
豊富な事例が満載です。
整理整頓の仕事の現場で、ADDの方達でも、整理された部屋を維持継続できることが実証されつつある、理論と実践から導きだされた方法なのですから。

収納設計のヒントです。

  • 使う場所に収納

  • 使う数だけ収納

  • 立てて収納

  • アイテム毎に収納

  • 見えるように収納

  • 1アクションで取り出し、戻せるように収納


きれいな収納ではありません。究極まで機能的なシンプル収納です。

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